ORANDマニュアル 目次

3.6.コマンドツール

コマンドツール機能は、コマンドライン(DOS窓)のツールをORANDで利用するための機能です。
コマンドラインから起動し、処理の結果を標準出力に出力するコマンド類を登録しておくと、その結果をORAND上に取り込む事ができます。
DOSのコマンドやDOS上で機能するツールをそのまま利用することができます。

例えば、DIRコマンドの出力結果をORANDに取りこんだり、grepなど、テキスト検索ツールを使って任意の文字列(正規表現)をファイルから検索し、その結果のファイル一覧を取り込む事ができます。
また、コマンドラインで実行するコンパイラを登録すると、ORANDを使ったコンパイル環境を構築することも可能です。


●コマンドツール実行の流れ

登録したコマンドツールは、フォルダツリー上、またはフォルダウィンドウ上のポップアップメニューに表示されます。
まず、ポップアップメニューからコマンドツールの名前をクリックすると該当するコマンドが起動します。
この時、フォルダツリー上で選択したフォルダまたは、フォルダウィンドウ上で選択したファイル/フォルダに対して、コマンドツールが実行されます。

ORANDは指定されたコマンドラインを解釈し、コマンドを実行しますが、この時、オプション置換子によって、フォルダツリーあるいはフォルダウィンドウで指定されたファイル/フォルダの情報をコマンドツールに渡すことができます。

コマンド実行後、コマンドツールが標準出力に出力した結果を取得し、ORAND内のビューに取りこみます。


●フォルダツリー上での実行

フォルダツリー上でコマンドツールを実行すると、カレントで選択されているフォルダに対してコマンドを実行します。
オプション置換子は、%s, %f, %v, %d, %r が使えます。その他のオプション置換子は空文字になりますので注意してください。

コマンドラインに%sがある場合、引数入力ダイアログが表示され、引数の入力が行えます。

●フォルダウィンドウ上での実行

フォルダウィンドウ上でコマンドツールを実行すると、カレントで選択されているファイル/フォルダに対してコマンドを実行します。
ファイル/フォルダが複数選択されている時は、それぞれについてコマンドを実行します。
オプション置換子はファイルの場合、%s, %f, %v, %d, %n, %e, %a, %r が使えます。フォルダの場合は、%s, %f, %v, %d, %r が使えます。
その他のオプション置換子は空文字になりますので注意してください。

コマンドラインに%sがある場合、引数入力ダイアログが表示され、引数の入力が行えます。


●8.3形式ファイル名

古いDOSコマンドはWindowsのロングファイル名を正しく処理できない場合があります。
こういったコマンドに対して、ロングファイル名を8.3形式のファイルパスに変換するためのオプションです。

このオプションをオンにした場合、コマンドツールへ渡すパスは8.3形式のパスに変換されます。


●ORANDへの取りこみ

コマンドツールの実行結果をORAND上に取り込み、表示を行うのがファイルリストビューとアウトプットビューです。
ファイルリストビューは、ファイル一覧をリスト形式で表示します。
アウトプットビューはコマンドツールの実行結果をそのままテキストの形で表示します。

各ビューの操作・使用に付いては次の項目を参照してください。
アウトプットビュー
ファイルリストビュー


●使い方例

名称 ファイルから検索(再帰)
コマンドライン grep -i -l -s -r %s %v%d*.*
8.3形式ファイル名 有効(無効)
出力 ファイルリストビュー
実際のコマンド grep -i -l -s norida c:\test\*.*

UNIXでおなじみのgrepコマンドを使ってフォルダ内のファイルを再帰的に検索し、該当するキーワードを持つファイルを一覧出力します。結果はファイルリストビューに表示されます。

※DOS版のgrepコマンドはフリーソフトなどを探して事前にインストールしておく必要があります。
※上記、grepのオプションは標準的なGNU-grepのオプションです。grepの種類によってはオプションが異なりますので注意してください。
※8.3形式ファイル名は利用するgrepがロングファイル名を正しく扱える場合は無効でも構いません。

名称 バックアップファイルを消す
コマンドライン rm -r %v%d*.bak
8.3形式ファイル名 有効(無効)
出力 なし
実際のコマンド rm -r c:\test\*.bak

UNIXのrmコマンドを使って、.bak ファイルを削除します。

※DOS版のrmコマンドはフリーソフトなどを探して事前にインストールしておく必要があります。
※上記、rmのオプションは標準的なrmのオプションです。rmの種類によってはオプションが異なりますので注意してください。
※8.3形式ファイル名は利用するrmがロングファイル名を正しく扱える場合は無効でも構いません。