ビデオカード乗っ取りダウンスキャンコンバータ
その1 前口上
壊してます。へ その1 前口上
その2 ビデオカード選定
その3 VooDooカード改造
その4

今回は色々と勉強してひねり出したアイディアを実践して見ます。
お題は、「時代遅れのビデオカードを乗っ取り、超手抜き工作ダウンスキャンコンバータの作製」です。


PCの画面出力と言えば、いわゆるマルチスキャンなディスプレイへの高解像度出力になりますが、最近のビデオカードはどれもこれもTV出力端子が備わっています。
TV出力もコンポジット、S端子、DVI と色々ありますが、それなりのTVへ出力することが非常に簡単になりました。



<時代遅れの基板たち (-m-)合掌>

しかし、ノートPCにおいてはTV出力ができるものが少なく(最近のはできるのかな?)デスクトップのようにビデオカードを差し替えれば済む、と言うようなものではありません。
言わずもがな、このサイトで弄っているジャンク基板もしかり。
一部の基板を除いてはお手軽TV出力などとは程遠い状態です。

で、結局、ノートPCでもダウンスキャンコンバータと言う高価な代物を使えばTV出力ができるわけですが、単にスキャンコンバータを買ってきてバラして付けました〜ヽ(^o^)丿。。。ではこのサイトの趣旨からしても全然面白く無い。。。。
しかしながら、「ダウンスキャンする」と言うこと自体、よく理解していない私の脳みそでは、一からこれを作り出すことはちょっと無理っぽいと考えます。
# 部品調達もままならんしね(^^;;

そこで、とりあえずネットをウロウロして情報を集めました。


一般に「PCの画像出力のような高解像度」から「TVのような低解像度」への映像変換をダウンスキャンと言います。
逆に「TVのような低解像度」から「PCの画像出力のような高解像度」への映像変換をアップスキャンと言います。
前者は PC to TV で使用され、後者は TV to PC(マルチスキャンディスプレイへの出力) で使用されます。

ダウンスキャンの仕組みを大雑把に説明すると、
・高解像度の映像を間引きする。
・映像信号を出力機器に合わせ変換する。
この2つの仕事をこなします。

映像を間引きすると言うのは、例えば、800ラインの映像を400ラインにするには、オーバー分のラインを間引きするか、上手く合成してそれなりに見えるように変換する作業になります。
また、映像信号の変換は、PCから出力される映像信号とTV出力での映像信号が全然違うのでそれをあわせる為に変換する仕事になります。

なかなか大変な仕組みになりそうなのはお分かりと思います。
「ビデオバッファ構えて信号を受け取り映像を展開してから間引き処理し再びTV出力の映像信号へ変換する」 と言う膨大な仕事をこなさなければなりません。
既にこの時点で萎え萎えです。
こりゃちゃんと仕組みを理解して回路組める人間じゃないとできん!!

#すなわち、ちゃんと回路の組めない私には不可能。。。(^^;;;



<ビデオカード回路想像図>

そんなことを考えながら、ふと思いつきました。

「ビデオカードのTV-Outは一体どんな仕組みなんだろう?」

そう、ビデオカードは単純にPCの映像信号を出力します。で、TV-Out機能があると言うことは、そのPCの映像信号 (VGA) をダウンスキャンしてTV信号(NTSC)へ変換する仕組みや回路を持っているのではないか?
と言う、疑問と期待がふつふつと沸き始めました。

もし仮に、ダウンスキャン用の回路を持っているとすれば、その回路を乗っ取って汎用的なダウンスキャンコンバータが作れるのではないか?
そんなわけで、早速、調査してみました。


ここでは、PCからのCRT信号(VGA)をTV用の信号(NTSC)に変換することをエンコードと呼びます。
また、その処理機構をエンコーダと呼びます。

さて、調査をすると、色々面白いことが分かってきました。
まず、TV-Out機能を実現するための回路ですが、ビデオカードによって3つに分けられます。

(1)ビデオチップにエンコーダが内蔵されているもの。
(2)デジタルデータバスを使って外付けの回路としてエンコーダを実装しているもの。
(3)アナログRGB+HVSync信号を使って外付けの回路としてエンコーダを実装しているもの。

(1)は ATI Rage に代表されるワンチップで映像出力系を全て処理できるビデオチップです。
この場合、エンコード回路はビデオチップに内蔵されてますので手出しができません。逆にいえば、この類のビデオチップを載せている基板は少しばかり出力回路を追加してやればTV出力が可能になります。

(2)の場合、外付け回路としてエンコード回路が存在するので、その部分だけ乗っ取ってしまえばそのまま動きそうな感じですが、回路への入力がピクセルデータ信号などのデジタル信号となるため、PC側からのラインの引出しや改造が必要で話がややこしくなります。

今回、ターゲットにするのは (3) の類のビデオカードです。
(3)の場合、エンコーダが外付け回路で乗っ取りやすく、しかも、エンコード回路への入力が普通のPCのCRT出力と同じ、RGB+HVSync 信号で済みます。
つまり、PC側に何の小細工も無く、CRT出力から直結できるはずです。


今回の実験の妄想図です(笑)
この乗っ取り作戦が上手くいけば、安上がりなダウンスキャンコンバータが作れるはずです。


とりあえず、実現可能性はありそうな感じです。

あとは、上手く乗っ取れそうなビデオカードを見つけ出し実験を行えば良いだけです。
それだけなんですが、、、なかなか所望のカードが見つからず結構苦労しました。
次は乗っ取り実験のドナーとなるビデオカードについて調べて見ます。


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