ビデオカード乗っ取りダウンスキャンコンバータ
その3 VooDooカード改造
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その2 ビデオカード選定
その3 VooDooカード改造
その4

まずは、漢らしく VooDooカードをぶっ壊していきます。
VooDooカードは、元がビデオカードなので必要なコネクタ類は全てオンボードで載っています。
問題となるのは、CRT出力である DSub15ピンコネクタを 入力 に上手く利用できるかどうかです。




これが、、、、



こうなります(笑)

思いっきり切断してみました。
当然、切断前に影響のある回路パターンを調べてから切ってます。 また、切断前にRAMソケットと 2Dエンジンチップ(?) を剥がしてます。
後は糸鋸でご〜り、ご〜り切っただけ(笑) これでカードサイズが半分以下です。

切断時の注意ですが、多層基板の場合、切断時にできるパターン銅箔のバリで各層がショートしたりする可能性があるのでバリは丁寧に落としておきましょう。また、確認も忘れずに。


今回、改造したビデオカードには CH7002B が載っています。
カードによっては CH7002D-V が載ってたりしますが、リビジョンの違いはよく分かりません。


さて、DSub15ピンに関する回路ですが、下図のようになってました。
パターンの分岐点だけ追っかけたので回路自体は間違っているかもしれませんm(__)m
また、以下の内容は今回使用したカードでの話なので、他のカードでは回路自体が異なります。



DSub15出力段にフィルタが入っているのでこれを外します。
C, L を剥がして L をショートさせただけです。
恐らく、フィルタがあっても問題は無いと思いますが、出力がおかしい場合の原因追求が面倒なので外しました。

MX と言うのは、2Dエンジンチップからのラインです。今回は関係ないので無視です。

見たところ、DSub15ピンを入力としたときに影響が出るような余計な回路が間に入っていません。
つまり、ほぼ無改造に近い状態で DSub15ピンコネクタを入力として使えることになります。


今回はこのカードを外付けのダウンスキャンコンバータとして動かすので、CH7002のポジショニング機能や解像度変更をスイッチで行えるようにします。
よって、DSub15ピンに入っている SDA, SCL 信号も無視してしまいます。

さて、目処がついたところで、CH7002から上記機能に必要な信号線を引っ張り出す必要があります。
このうち、解像度変更や映像処理に関係する信号はCH7002のピンから追っかけて基板上から信号を取り出しました。

ただ、ポジショニングに必要なピンは +5V へ pull up されているため、左のようにチップ足を跳ね上げて直接、信号を取り出しています。


配線完了の図。<拡大>

解像度と映像処理に関する設定は DIP SW にて行います。
手抜きなので、通電したまま変更すると壊れる(かもしれない)仕様です(笑)

電源はPCIバスの電源ピンから入力します。
このカードの場合 +5V のみ使ってます。


裏面です。

ポジショニング用のスイッチとリセットスイッチを付けました。
ポジショニングスイッチで画面内の映像位置を上下左右に移動できます。


手抜きな回路図です。

DIP SW側は、信号線からそのまんま引っ張ってきて、pull up or pull downを切り替えているだけです。
CH7002の各信号線は内部で pull up されているので、ピンが open の場合、pull up 状態となります。

リセットは、DM0〜2 を全て 1 = pull up すれば CH7002 チップが Power off 状態になるのを利用してます。

ポジショニング用のスイッチは適当なタクトスイッチを使用しましたが、CH7002の信号へ直接付けるとチャタリングを起こす場合があります。
CH7002のポジショニングピンはシュミット・トリガを内蔵してますので、外付けで簡単な CR回路を付け、チャタリングを防止してます。
CR回路の値は適当です。(^^;;
また、使用するスイッチによって適切な値に変更したほうが良いでしょう。

配線が終わったらカード側の工作は終わりです。

以上は英文データシートをフル回転で誤訳した結果なので、間違っているかもしれません。m(__)m
解釈が間違ってたらこっそり教えてください(^^;;;


で、、今回のケースはコレ!!

100円ショップで売っていた、いかにもチープな置時計です(笑)
どの辺がチープかと言うと、ケース素材は塩ビなので補強が無いと歪みます(笑)
しかも、背面のフタと本体の整合が合ってないので裏ブタが外れそうです。

まぁ、見た目はそんなに酷くないので許しましょう。
貧乏臭い素材がジャンクには何故かお似合いです(笑)




いきなり組み込みました(笑)
時計のムーブメント部分はばっさり切り取り外しました。
代わりに、アルミ板のパネルを貼り、そこからポジショニングスイッチが顔を出します。



背面と言うか、コネクタ側です。

ケース的にはピッタリはまる大きさでナイスです。
コネクタ類もまとまって配置されているのでレイアウトに困ることはありませんでした。
左上に孤立しているコネクタは、電源用のDCコネクタです。




実際の出力画像です。解像度 640x480 で オーバースキャン S出力 の映像です。
色合いに関しては全く問題はありません。
フリッカーも無いので文字もハッキリ認識できます。
画面の端が切れているのはオーバースキャンのせいです。



文字部分の拡大。
640x480では問題ないレベルです。


CH7002は 640x480 と 800x600 の解像度に対応していますが、 800x600 はアンダースキャンの出力しか設定できません(NTSCの場合)
うちのテレビはオーバースキャン入力のみなので、800x600のテストはできませんでした(TT)
まぁ、デジタル入力も無いテレビにPC画面出せば 640x480 が関の山ってとこですか。。。

以上でひとまず、ダウンスキャンコンバータらしきものをでっち上げることができました。
しかし、まだ問題もあります。

まず気が付いたのは、PCブート時のVGAモードの一部が正しく出力されないようです。
具体的にどの同期周波数かは確認していませんが、画面が激しく流れることがあります。
OSが起動してからは問題はありません。(CH7002が処理できる同期周波数で無いとダメですが)

また、PCからの映像入力が無い場合でも出力は生きてますので、ノイズ信号らしきものが画面出力されてしまいます。 これは、入力の同期信号などを監視して出力制御する回路を追加すれば良いでしょう。

あと、コンポジット出力とS出力の優先順位は考慮されていないので、これも改良の余地アリです。

と言う感じですが、映像の質も良く結構使えそうなのが意外でした(^^)

最後にレシピです(笑)

主な材料

ビデオカード 500 オークションでゲット
ケース 100 置時計
アルミ板 --- 手持ち
L字アングル --- 手持ち
部品類 --- ジャンクから剥がしたもの
スイッチ類 600  
ねじ類 --- 手持ち

合計 1200 (税別)

まぁこんなもんかな。
1200円で用途を絞ったダウンスキャンコンバータが手に入るなら安いもんでしょう。


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