ビデオカード乗っ取りダウンスキャンコンバータ
その2 ビデオカード選定
壊してます。へ その1 前口上
その2 ビデオカード選定
その3 VooDooカード改造
その4

さて、TV出力できるビデオカードを片っ端から調べるうちに、比較的簡単な外付け回路で動作するエンコーダチップを発見しました。

Chrontel CH7002 と言うエンコーダチップです。
このチップの特徴は、

  • アナログRGB+HVSync 入力である。
  • 640x480, 800x600 の解像度に対応している。
  • NTSC or PAL に対応している。
  • コンポジット出力 および S出力(Y/C)に対応している。
  • I2Cを使用してソフト的に設定を変更できる。
  • ジャンパなどでハード的に設定を変更できる。

と、なっています。詳しくはデータシート参照。

Chrontel は CH70xxシリーズとして入力がデジタルデータのチップも作っており、GeForce チップのビデオカードなどでしばしばお目にかかれます。

余談ですが、ビデオカードを乗っ取ることは意外とメリットがあります。
まず、単品ではほぼ入手不可能なエンコーダチップが簡単に手に入ります。個人でこのようなアプリケーションチップを数個だけ取り寄せるのはほとんど不可能でしょう。
さらに、必要な周辺回路までもれなく付いてきます。つまり、自分で組む回路は最小限に押さえられます。
また、中古品やジャンク品を再利用できるのもポイントです。
まさに、安上がり、手抜きの私にとってはもってこいです(笑)

そんなわけで、CH7002 が載ったビデオカードを何とかして手に入れることにします。
が、しかし、、、CH7002は結構古い部類に入るチップらしく、最新のビデオカードにはまず載っていません。
検索サイトを駆使して調べたところ、時代遅れとなったビデオカードが数枚該当するようです。


まず、私がオークションで数百円で手に入れたのがコレ。

メーカー不明の VooDoo Rush のビデオカードです。こいつは、2Dエンジンを別チップで持っているもののようです。


出力段に CH7002B が載っています。

早速、回路を追っかけると、ビデオチップ部分と上手く切り離せそうな感じで、 ビデオチップ部分の回路を切り落としても大丈夫でしょう。
オマケにCRT出力として付いている、DSub15コネクタを入力側として再利用すれば若干の回路追加でワンボードのダウンスキャンコンバータが作れそうです。(^^)


次に手に入れたものがコレ。
Canopus PWR128A GTV (AGP版)です。
#中古で3000円ほど。

PWR128A GTV のカードは2種類あって、TV出力用の回路がオンボードのものと、別基板になっているものがあります。
画像は別基板になっているもので、このサブボードに CH7002D-V とTV出力に必要な回路一式が全て載っています。
つまり、このサブボードだけを外して使えば、ビデオカードを弄ることなくダウンスキャンコンバータが作れます。
これはなかなかポイントの高いビデオカードです(^^)

#PWR128P GTV (PCI版)も同じ構造になっています。


サブボード外して見ました。<拡大>

PWR128A GTV はビデオチップからの出力をこのボードに渡し、TV出力を得ています。
サブボードにはビデオカードとの接続に使われる20ピンのコネクタが付いており、このコネクタから各信号を入出力できます。


GTVのサブボード使って早速、実験。

テスト中の様子です。
とりあえず動作を確認するために作った引き出し基板から信号線が無防備ににょろにょろ生えている状態です(笑)
ハッキリ言って、何も考えずに繋いでいます(笑)

コネクタから出ているのは、入力=RGB+HVSync、出力=コンポジット信号、電源=+5V, +12V, GND の計9本の線です。

TVへの出力経路は、
PCビデオ出力 --アナログRGB信号--> GTVサブボード --コンポジット信号-->TV
となります。




PCブート時の画面。

所詮、コンポジット出力なので鮮明な画像は期待できません(笑)
CH7002がフリッカーフリー処理もしてくれるのでチラチラせずに表示されます。



640x480 モードでの Win98。
色合いは全く問題ありません。が、、、
やっぱ、 細かい時は読めないね(笑)


とりあえず、実験よりこの基板だけで簡単にダウンスキャンが可能であることが分かります。

GTVサブボードは入力映像の解像度選択(640x480 or 800x600)にI2Cを使って宿主であるビデオチップから情報をもらって解像度を変更する仕様になっているようです。
今回の実験では、宿主が居ないためデフォルトの設定に固定されて処理されます。
CH7002のデータシート読むと、回路を一部変更して設定ジャンパなどを取り付けることができるようになっています。

さて、次はこれをパチンコ液晶モニタに組み込んだり、VooDooカードを乗っ取ってケースに収め実用に耐えるダウンスキャンコンバータを作成して見ようかと考えています。


ビデオカード乗っ取りダウンスキャンコンバータ
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